【開業前に読む】オフィス用品の初期費用を10万円以内に抑える方法|フリーランスの備品リスト付き

【開業前に読む】オフィス用品の初期費用を10万円以内に抑える方法|フリーランスの備品リスト付き

開業準備の初期費用を10万円に抑える方法を説明する、ビジネスウーマンとコミック風のイラスト。開業の準備を進めていると、必ずぶつかるのが「で、結局なにを買えばいいの?」という壁です。ネットで「開業 オフィス用品」と検索すると、デスク、チェア、パソコン、プリンター、キャビネット、シュレッダー……と、やたら立派なリストが出てきます。言われるままにカートに入れていったら、気づけば見積もりが30万円オーバー。まだ1円も売上が立っていないのに、この出費は正解なのか——。

そんなふうに手が止まってしまった方に、先にお伝えしたいことがあります。オフィス用品の初期費用は、最初は10万円以内で十分に足ります。 足りないどころか、そのほうがうまくいくことすらあります。この記事では、その理由と、実際にどう仕分けて買えばいいのかを、価格の目安つきで具体的にお話しします。

オフィス用品の初期費用は、最初は10万円以内で十分足りる

開業時のオフィス用品の初期費用を抑えるコツを解説するインフォグラフィック。結論から言います。開業時のオフィス用品は、「今すぐ必要なもの」「後回しでいいもの」「そもそも買わなくていいもの」の3つに仕分けるだけで、初期費用は驚くほど下がります。フリーランスや個人事業主が自宅や小さな仕事場で始めるなら、10万円という予算はけっして無理な数字ではありません。

大事なのは、ケチることではなく「順番を間違えないこと」です。売上がまだ読めない立ち上げ期は、備品の豪華さではなく、手元に残るお金の厚みが事業を守ってくれます。まずは最小構成でスタートし、仕事が回りはじめてから、本当に不便だったところにお金を足していく。この順番なら、ムダな買い物はほぼゼロにできます。

なぜ「全部そろえる」と初期費用は膨らむのか

そもそも、なぜ多くの人が開業準備で買いすぎてしまうのでしょうか。理由はシンプルで、「オフィスとはこういうものだ」という会社員時代のイメージが、そのまま基準になってしまうからです。ここを一度ほどいておくと、判断が一気にラクになります。

「開業費用の平均975万円」という数字に惑わされない

日本政策金融公庫の2025年度「新規開業実態調査」によると、開業費用の平均値は975万円。この数字だけを見ると、開業には大金が要るように感じます。ですがこれは飲食店や店舗、設備投資が必要な業種まで含んだ平均であって、パソコン1台で始められる仕事とは前提がまったく違います。実際、同じ調査では開業費用が「250万円未満」だった人が20.1%を占め、長期的に見て開業費用は少額化の傾向にあると報告されています。(出典:日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」)

つまり、少額で始めることは”手抜き”ではなく、いまや主流の一つです。平均値に引っ張られて背伸びする必要はまったくありません。

「あとで買えるもの」を先に買うのがいちばんのムダ

開業準備における無駄な備品購入を避け、手元資金を温存する賢い節約術を解説する画像。開業準備で買った備品のうち、半年後にほとんど使われていないもの——これはかなりの確率で存在します。プリンター、シュレッダー、来客用の椅子、書類キャビネット。どれも「あると安心」ですが、必要になった時点で買っても、まったく遅くないものばかりです。

しかも今は、必要になってから注文しても翌日には届く時代です。「先に買っておく」ことのメリットは、実はほとんどありません。逆に、使わないまま置き場所を取り、資金だけが減っていきます。

立ち上げ期に守るべきは、備品ではなく手元のキャッシュ

開業直後にいちばん怖いのは、備品が足りないことではなく、お金が足りなくなることです。売上の入金は思ったより遅れますし、想定外の支出も必ず出てきます。10万円を備品に使い切ってしまうのと、5万円で済ませて5万円を運転資金として残しておくのとでは、心の余裕がまるで違います。

備品は減っても仕事はできます。でも、現金が尽きたら仕事は続けられません。この優先順位だけは、ぜひ覚えておいてください。

フリーランスの備品リスト|10万円以内で組む優先順位

では、具体的に何を買えばいいのか。ここからが本題です。仕事の内容によって多少前後しますが、「パソコンで完結する仕事」を前提に、3つの層に仕分けていきます。

今すぐ必要なもの:ここだけは削らない

笑顔の女性が「ここだけは削らない」必須アイテムを解説するグラフィック。まず、初日から手が止まってしまうものは、迷わず用意します。パソコン、椅子、ネット環境、そして名刺や印鑑まわり。この4つです。

パソコンはすでに持っているものを流用できるなら、それがベストです。新調するなら、事務作業中心なら6〜8万円台のノートPCで十分。動画編集やデザインなど負荷の高い仕事なら、無理に安く済ませず、必要なスペックにお金を回してください。ここだけは「仕事道具そのもの」なので、ケチると生産性で損をします。

意外と軽視されがちなのが椅子です。1日8時間座るなら、椅子は健康と集中力への投資になります。とはいえ、いきなり10万円の高級チェアを買う必要はありません。1〜2万円台でも、座面と背もたれがしっかりした事務椅子であれば、腰へのダメージはかなり違ってきます。

ネット環境は、自宅の回線があればまずはそれでOK。名刺は100枚1,000〜2,000円ほど、印鑑(角印・銀行印)も数千円で用意できます。会計ソフトは月1,000円前後のクラウド型が定番で、確定申告の手間を考えれば、最初から入れておくほうが結果的に安く済みます。

参考までに、10万円を配分する一例を挙げておきます。

項目 目安金額 備考
ノートPC 60,000〜80,000円 流用できるなら0円
事務椅子 10,000〜20,000円 座り仕事なら妥協しない
デスク 0〜10,000円 自宅の机で代用可
名刺・印鑑 3,000〜6,000円 必要な業種のみ
文房具・USBメモリ等 3,000〜5,000円 最低限だけ
会計ソフト(年) 10,000円前後 確定申告を考えると必須級

後回しでいいもの:必要になってからで間に合う

起業の初期費用を削減するコツを解説するインフォグラフィック。笑顔の女性が、購入を後回しにするものや不要なものを指し示しています。プリンターや複合機、大型モニター、シュレッダー、書類棚。これらは「いつか要るかも」の代表格です。プリンターは、月に数枚しか印刷しないならコンビニプリントで十分ですし、契約書もクラウド上で完結できる時代です。モニターも、実際に画面が狭くて困ってから買ったほうが、必要なサイズを正しく選べます。

「不便を感じてから買う」。これを徹底するだけで、初期費用の3〜4割は削れます。

そもそも買わなくていいもの

固定電話は、スマホと転送サービスがあれば不要なケースがほとんどです。立派な応接セットや大量の文房具ストックも同様で、来客のない仕事なら一生使いません。「オフィスっぽさ」にお金を払っていないか、購入前に一度立ち止まってみてください。

初期費用を抑える、地味だけど効く方法

中古やアウトレット、型落ちモデルは積極的に狙う価値があります。PCなら1〜2世代前でも実務には十分ですし、事務椅子はオフィス家具のリユース店で新品同様のものが半額以下で見つかります。デスクは自宅のテーブルで代用し、モニターやプリンターはレンタル・サブスクで様子を見る。この組み合わせだけで、10万円の壁はかなり余裕を持って越えられます。

買う前に知っておきたい、オフィス用品と「経費計上」のルール

もうひとつ、購入前に知っておくと得をする話があります。備品は買い方や金額によって、経費としての扱いが変わるのです。ここを知らずに買うと、あとで「もう少し考えて買えばよかった」となりがちです。

オフィス用品の経費計上ルールを説明するインフォグラフィック。ビジネススーツの女性が指差し、10万円を境にしたルールを解説。10万円未満なら、買った年に全額を経費にできる

取得価額が10万円未満のものは減価償却の必要がなく、購入した年に全額を必要経費として計上できます。勘定科目は消耗品費や事務用品費が一般的です。(出典:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」ほか)

つまり、9万円台のパソコンなら、その年にまるごと経費にできるということ。10万円という予算ラインは、実は税務上もキリのいい数字なのです。

10万円を超えるパソコンを買うときは「特例」を思い出す

とはいえ、仕事の内容によっては10万円超のPCが必要なこともあります。その場合に効いてくるのが「少額減価償却資産の特例」です。青色申告をしている中小企業者等であれば、一定額未満の資産を取得した年に一括で経費計上できます。

しかもこの制度、令和8年度税制改正で対象が広がりました。財務省の税制改正大綱では、対象となる減価償却資産の取得価額が30万円未満から40万円未満へ引き上げられ、所得税についても同様とされています(2026年4月1日以後に取得したものが対象。年間の合計上限300万円は据え置き)。高性能なPCや機材が必要な業種にとっては、追い風になる改正です。(出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」、国税庁「No.5408」)

なお、この特例を使うには青色申告が前提になります。開業届と一緒に青色申告承認申請書を出しておく——これも立派な”初期費用対策”です。

開業前に買ったものも、経費にできる可能性がある

開業前の経費節約を促す広告。笑顔の女性が指差しとサムズアップをしている。「開業届を出す前に買ったから、経費にならないのでは?」と心配される方がいますが、開業準備のために支出した費用は「開業費」として計上できる場合があります。パソコンや備品、名刺の制作費、打ち合わせの交通費なども対象になり得ます。

だからこそ、開業前の領収書は絶対に捨てないでください。これは何度でもお伝えしたいポイントです。

迷ったら「一人で決めない」のが、いちばんの節約になる

もう一度お伝えします。オフィス用品の初期費用は、10万円以内で十分にスタートできます。全部そろえるのではなく、今すぐ必要なものだけを買い、残りは「不便を感じてから」。この順番を守るだけで、お金も置き場所も、そして気持ちの余裕も守れます。

ただ、実際に判断しようとすると、細かいところで手が止まるはずです。パソコンはどこまでのスペックが必要なのか。10万円を少し超えるあの機材は、今買うべきか年明けまで待つべきか。この支出は経費で落ちるのか。プライベートと兼用しているものは、どう按分すればいいのか。

こうした問いは、答えを一つに決めきれないものが多く、しかもあなたの業種と収支の見込みによって最適解が変わります。ネットの記事だけで判断すると、数万円単位で損をしてしまうこともあります。

もし今、買い物リストを前に手が止まっているなら、一度だけでも誰かに相談してみてください。当社では、開業準備中の方向けに無料相談を承っています。「このリストで足りているか見てほしい」「経費の線引きだけ確認したい」——その程度のご相談でまったく構いません。

10万円をどう使うかで、最初の1年の走りやすさは驚くほど変わります。一人で抱え込まず、気軽に声をかけていただけたらうれしいです。

 

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