全部は任せない。月初の請求書業務を「半自動化」してみた 〜Claude Coworkを相棒に〜
月初になると、必ずやってくる仕事があります。 請求書の発送業務です。
大協商事株式会社では、印刷した請求書をスキャンして電子で保管しています。正直なところ、少しアナログチックなやり方かもしれません。それでも、この業務にはうちなりのルールと、大切にしている「人の手」があります。
今回は、その月初の請求書業務を、Claude Cowork という相棒を使って 半自動化 した話を書いてみます。全自動ではなく、あえて「半」にしているところがポイントです。
まずは、うちのファイル名ルールから
大協商事では、請求書のファイル名を 電子帳簿保存法に基づいて 付けています。ただ法律に合わせるだけでなく、お客様も、そして私自身も、あとから検索しやすいように 工夫しているのがこだわりです。
具体的には、ファイル名を次の順番でそろえています。
日付 _ 大協商事株式会社 _ 金額円 _ お客様名請求書
この順番だと、日付で並べれば時系列で追えますし、お客様名で検索すれば、そのお客様の請求書だけをすぐに引っ張り出せます。金額まで名前に入っているので、開かなくても中身の見当がつく。いつ・誰に・いくらの請求書なのかが、ファイル名を見ただけでひと目で分かる。地味ですが、こういう積み重ねが、後々の自分とお客様の両方を助けてくれます。
問題は、スキャンした直後のファイル名です。スキャナーが自動で付ける名前は、日付や連番の羅列で、そのままでは何の請求書か分かりません。ここから一枚一枚、手作業でこのルールに沿ってリネームしていく。これが地味に時間のかかる作業でした。
相棒は「Claude Cowork」
今回この一連の作業を任せたのが、AIアシスタントの Claude Cowork です。
私はエンジニアではありません。プログラムを書けるわけでもない。それでも Claude Cowork は、こちらが「こういう作業をやりたい」と日本語で伝えるだけで、ファイルの整理からメールの下書きまで、複数のステップにまたがる仕事を段取りして進めてくれます。
難しいコードを組む必要はなく、普段の言葉で相談しながら業務を任せられる。ここが、私のようなアナログ寄りの人間にとってはありがたいところでした。
何を自動化したのか
月初のこの一連の流れを、Claude Coworkと一緒に、順番に半自動化しました。
① スキャン後のファイル名を、ルールに沿ってリネームする バラバラの初期ファイル名から、「日付_大協商事株式会社_金額円_お客様名請求書」の順番に整える。電子帳簿保存法に対応しつつ、検索しやすい形にそろえる。
② お客様ごとのフォルダに振り分ける リネームした請求書を、お客様名のフォルダに自動で入れていく。
③ 配布用のメールを下書きする お客様ごとに請求書をお送りするとき、先月末締めの請求書のご案内メール を下書きの状態まで用意しておく。文面には請求金額も記入し、お客様がメールを開いた時点で「いつ締めの、いくらの請求書か」が分かるようにしています。
以前は①〜③をすべて手作業でやっていました。特に月をまたぐタイミングでまとめて処理するので、件数が多いと同じ作業の繰り返しで集中力も削られていく。ここをClaude Coworkに任せられるようになって、月初のスタートがずいぶん軽くなりました。
あえて残した「人の手」
ここが今回、いちばん書きたかったところです。
Claude Coworkに任せたとはいえ、最後のところは自分の手でやっています。
- ファイル名と請求書の中身が一致しているかの確認
- 下書きしたメールの内容(金額や宛先)の確認
- 請求書ファイルを添付すること
- 送信ボタンを、自分で押すこと
この4つは、AIに任せていません。
理由はシンプルで、請求書とメールは、お客様との信頼に直接関わるものだからです。金額が一円違っても、宛先を一件間違えても、それはお客様に対して失礼にあたる。だからこそ、送信の直前には必ず自分の目で確かめて、最後のひと押しは自分の責任で行う。
そう決めています。
なぜ「全自動」にしないのか
技術的には、送信まで全部AIに任せることもできるのかもしれません。それでも私は、あえて「半自動」にとどめています。
自動化の目的は、楽をすることそのものではありません。繰り返しの単純作業から解放されて、本当に人が判断すべきところに集中する ためです。
リネームやフォルダ分けのような、正解が決まっている作業はClaude Coworkに任せる。でも「このお客様にこの内容で、この金額でお送りして大丈夫か」という最終判断は、人がやる。この線引きこそが、半自動化のいちばん大事なところだと思っています。
AIは、優秀な相棒です。でも、お客様と向き合う責任まで肩代わりしてもらうつもりはありません。相棒に任せるところと、自分が引き受けるところ。その役割分担ができてはじめて、AIは本当に頼れる存在になるのだと思います。
おわりに
少しアナログチックな請求書業務。それでも、Claude Coworkという相棒を得て、機械に任せるところと自分で守るところを分けることで、月初の負担はぐっと減りました。そして何より、お客様に向き合う時間と気持ちの余裕が生まれたのが一番の収穫です。
電子帳簿保存法に沿いながら、お客様も自分も検索しやすいファイル名。先月末締めの請求金額まで書き添えた、分かりやすいご案内メール。ひとつひとつは小さな工夫ですが、こうした積み重ねがお客様への誠実さにつながると信じています。
「全部を自動化する」のではなく、「任せていいところと、自分でやるべきところを見極める」。
これは請求書業務に限らず、これからいろいろな仕事をDX化していくうえでの、私なりの基準になりそうです。エンジニアでなくても、AIを相棒にできる時代。まずは月初のひと仕事から、その一歩を踏み出してみました。